先日、乳糖不耐症協会のツイートのひとつが、80万インプレッションを獲得しました。この記事ではツイートを行なった経緯と寄せられた反応についてご紹介します。
今回のツイートの内容
今回話題になったツイートは、次のようなものです。
牛乳の話題が増えてます。これだけの人が牛乳について考えることは当分ないと思うので、この機に乗じて #拡散 させてください
— 乳糖不耐症情報室@お腹ごろごろ (@lactosefree_jpn) 2020年3月4日
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする体質を #乳糖不耐症 と言います。原因を知ってはじめて正しく対処できます
フォロワーさんには今更ですが少しでも多くの人に届きますよう🙏 pic.twitter.com/PZf2RdukO4
経緯としては、2020年2月27日に発表された「新型コロナウイルス対策としての全国一斉休校要請」以降の混乱と、学校給食用の牛乳(生乳)の供給過剰が話題になったことが背景になっています。
メーカーは問いませんので
— miyabi。:+* (@miyabi02294470) 2020年2月29日
牛乳、国産の乳製品のご購入、消費をお願いします🙇⤵
学校給食に使われる予定だった牛乳が余ってしまう可能性があります
牛さんのお乳は、出す量を加減できません
絞ったお乳が売れないと
酪農家さんが生活できなくなり
最悪廃業に追い込まれてしまいます
とりわけ、3月1日頃から、インターネット上を中心に、牛乳の購買・消費を呼びかける運動が盛んになり、牛乳を大量に消費できるアイデアとして平安時代の「蘇」が流行するなど、特にSNS上で牛乳への関心が非常に高まっているという状況が生じていました。
一斉休校の余波で学校給食に使われるはずだった牛乳が余って酪農家がピンチ、これ以上日本の食糧自給率を下げてたまるか!というわけで、牛乳をたくさん消費するレシピ「蘇」に行き着きました。時間を持て余しているお子さんと試しに作ってみては如何でしょうか?https://t.co/jQnTj4ux45
— ミケ太郎 (@bokumike) 2020年3月1日
そうした状況の中、「牛乳の消化が得意ではない人もいる」ということを周知する目的から、乳糖不耐症協会として、上記のようなツイートを行った次第です。
「一般家庭で牛乳を消費しよう」という流れに竿刺すかたちにはなってしまったものの、牛乳に注目が集まる時だからこそ、「そもそも乳糖不耐症の存在を知らない人」「正しい情報を知らない人」「それゆえ適切な対処法を取れていない人」に正確な情報をお届けする必要があると考えツイートしました。
フォロワーの皆さまのご協力もいただいた結果、上記のツイートは話題となり、結果として、2日間で約9000リツイート、約6000いいね、約84万インプレッションをいただくことになりました。

平均的な月間インプレッション数が2〜3万程度だったので、普段とは比べ物にならないほど多くの方にリーチすることができたと言えます。
情報拡散にご協力いただいた方々に改めて感謝申し上げたいと思います。
また、今回のツイートに対しては、非常にたくさんの印象的な反応が寄せられました。「当事者の声の拡散・集積」も乳糖不耐症協会の使命の一部であることから、ここで、その一部をご紹介させていただきます。
ツイートに対する主な反応
いただいた反応をすべてご紹介することはできませんが、ここでは、何種類かに分けてご紹介させていただきます。
はじめに、それまで乳糖不耐症について知らなかった(しかし症状の自覚はあった)という方から「これは私だ」というような反応を非常に多くいただきました。
「待って??!私絶対これでは??!乳製品摂取するとお腹すぐやられるの!え!知らなかった!」
「うわ、わたし牛乳好きだけどお腹ゆるくなるんだよなぁってずっと思ってた、これか〜〜〜! 」
「長年悩んでた不思議が30うん年経った今、解き明かされた( ゚д゚) 用法用量を守って正しく摂取!だね(๑•̀ㅂ•́)و✧ 」
また、症状が出る条件に関して具体的に教えてくださった方も多くいました。
特に、シチューでお腹を下すという症状を挙げられる方が多かったのが印象的でした。
乳糖不耐症のストレスには、牛乳だけでなく牛乳を使った食事でも症状が出てしまうという部分も大きく影響しています。乳糖不耐症が「単に牛乳が飲めないだけの問題ではない」ということを改めて感じさせられる反応でした。
「まじか。俺がヨーグルトやチーズは大丈夫なのに牛乳やシチューで下す原因はこれか。」
「私これかもしれない… 中学辺りから、飲める分には全然飲めるんだけど、1時間後にお腹痛くなって、最近では1杯以上飲むとお腹ゆるくなる、吐き気する、お腹痛いってなる。シチューとかも1皿以上食べた瞬間終わってた。」
「私や…( ´・ω・`) 体調良くないとシチューもアウト 」
また、周囲に理解されづらいという苦しみを共有してくださった方もいらっしゃいました。
当事者に情報を届けるだけでなく、社会の中で乳糖不耐症が市民権を得ていくことにより緩和される当事者の苦しみもあるのではないかと思います。
「私みたいなやつの事だよ!!!!!!!!!!オカンに貧弱だと思われているのはこれだよ!!!!ほかの食品では特に影響ないけど牛乳、乳製品飲料に弱いよ!!!昔は強かったのに!!!!!!! 」
「牛乳をそのまま飲むのはお腹調子悪くなるからできない…。ヨーグルトとか加工されたのは平気〜。給食の牛乳は苦痛だったなぁ…。だれも分かってくれないんだよ…。」
「私これ。実はヨーグルトも食べれん。こういう人がいたら、「え?これだけでお腹下すの?」とか思わないであげてください。結構切実なんです。 」
「小学生の頃、乳糖不耐症を理解してもらえなくて無理矢理給食の牛乳飲まされて辛かった思い出…中学では無理矢理飲まされる事はなかったので回避してたけどヨーグルトは平気なので食べるとなんで?て聞かれたりして嫌だったな」
さらに、牛乳給食に関する辛い経験を共有してくださった方も多くいました。
牛乳給食は成長期のカルシウム摂取のために必要ですが、牛乳アレルギー以外の理由での停止・返金は地域によっては難しいという実態があります。
過敏性腸症候群(IBS)の児童・生徒なども含め、本人の申告に基づいて柔軟に対応できる下地作りが必要ではないかと思います。
「これか…給食でいつも吐いてた ほんと牛乳飲めないから給食が苦痛でしょうがなかったよ 今も飲めない 」
「小学生の高学年くらいから牛乳飲むとお腹ゴロゴロするようになったんだけどアレルギー以外は強制で飲まされて本当にしんどかった」
「この体質のため給食の牛乳強制からのトイレ大、からかいイジメのコンボくらったよ 当時は牛乳との因果関係も知らなかったし、知ってても拒否権があるような時代じゃなかった。経験則で牛乳を避けるようになってからはマシになったが未だにトラウマかも。」
「うちの息子も乳糖不耐症で給食の牛乳拒否してるなぁ。アレルギーではないですが乳糖不耐症でって毎回説明するけど、保健の先生とかすぐわかってくれる。幼稚園のときはそれでも飲んでとモメて、病院で一筆書いてもらったなぁ。」
最後に、症状が出るようになってからも牛乳や乳製品を食べることを諦められないというツイートも多くありました。
当事者の生活の質向上に直結する、ラクターゼ製剤の市販化が急務であると改めて感じました。
「お腹壊れるけど、牛乳大好きだから覚悟で飲んでる。ケーキも好きだし🍰食べない飲まないなんて悲しい…😭」
「昔は良かったけど腸炎起こして体質がこうなった。牛乳好きだったから諦めて飲む時ある。飲まないという選択はない。 」
「私は正しくこれ!実父もこれ!でも私はヨーグルトとかジョアでもなるときゃなる!牛乳はハイパーなる(笑) でも小さき頃からだから飲まないor少量orなると分かっていながら飲食する!😂を気分で選びます😂
反応を受けて考えたこと
今回のツイートでは乳糖不耐症の「認知向上」が主目的だったため、具体的な「対処法」をツイート内容に含めることを失念していました(ツイートを見た方からもご指摘を受けました)。
重ねて、今回のツイート(だけ)を見て牛乳を完全に絶ってしまう方がいるのではないか、という懸念が残ることも事実です。
実際にこのホームページを訪れていただいた方も多くいましたが、「元ツイートを見ていただいた方すべてに対処法をお伝えできなかった」という点については、せっかくの機会を活かしきれなかったという観点から、大変反省しています。
他方で、乳糖不耐症の自覚症状がありながら自分では「乳糖不耐症」と気付けていなかった方や、対処法を知らなかった方がこちらの想像以上に多くいたことで、啓発の重要性を改めて感じる結果となりました。
正しい情報を発信する責任をひしひしと感じながら、今後とも、乳糖不耐症に関する正確な広報・啓発に努めていきたいと思います。
よろしければ当協会のツイッターアカウント(@lactosefree_jpn)もぜひフォローしてください!
Tweets by lactosefree_jpn Follow @lactosefree_jpnここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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