症状・対処法

乳糖不耐症の症状はなぜ起こる?〜お腹が痛くなる仕組み〜

  • LINEで送る
乳糖不耐症のメカニズム-アイキャッチ画像

どうして牛乳で下痢や腹痛が起きるの?

乳糖不耐症とは、乳糖分解酵素である「ラクターゼ」が欠乏していることにより、牛乳に含まれる「乳糖」(ラクトース)を分解できない体質のことを指します。

具体的な症状としては、お腹を下してしまったり、ガスが発生してしまったりというものが挙げられますが、これらの症状は一体どうして生じるのでしょうか。

この記事では、乳糖不耐症の症状が生まれるメカニズムについて解説していきます。

▶︎症状について詳しくはこちら

ラクトースを分解→ガラクトース+グルコース

牛乳には、乳糖(ラクトース Lactose)と呼ばれる「二糖類」が含まれています。二糖類と呼ばれるのは、ガラクトース(Galactose)とグルコース(Glucose)と呼ばれる「単糖類」が結合してできる化合物であるためです

乳糖は粉末状にしてそのまま食べると、砂糖(ショ糖)の0.3~0.4倍の甘さがあり、甘味料として食品に使われることもあります。また、身近なところでは、錠剤などを取り扱いやすい嵩や質量に調整するための添加物としても使われています1

このように、身の回りに溢れている乳糖ですが、そのままの状態では腸内で吸収することができません。私たちの体は、ラクターゼ(Lactase)と呼ばれる消化酵素を使って、乳糖を単糖類(ガラクトースとグルコース)に分解してから吸収しています。

乳糖ラクトースのラクターゼによるガラクトースとグルコースへの加水分解

このラクターゼは腸内細菌の働きによって生み出され、小腸の表面に多く存在しています。上の図にあるように、乳糖を二つに分解する「ハサミ」の役割を果たす、非常に重要な酵素です

腹痛やガスの発生するメカニズム

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするという症状は、このラクターゼを腸内で生み出す力が弱くなっていることによって生まれます。反対に、牛乳をいくら飲んでも平気という人は、ラクターゼを生み出す力が元気なままである、ということになります2

ラクターゼのある人であれば小腸で乳糖を分解し、大腸で吸収できるのに対し、ラクターゼがない人の場合は、乳糖を分解することができないため大腸で吸収することができません

(参考)乳糖不耐症のメカニズム

それどころか、分解されないまま大腸に運ばれてしまった乳糖は、浸透圧によって大腸に水分が侵入する原因となり、腹痛や下痢を引き起こします。「牛乳を飲むとお腹が痛くなる」という時の腹痛は、この下痢に伴う腸管の蠕動(収縮運動)によって引き起こされたものになります。

さらに、大腸に運ばれた乳糖は、乳糖を餌とする大腸内の細菌の増殖を招きます。この大腸内の細菌の働きによってガスが発生し、おならや腹鳴、お腹の張りなどの原因となるのです

ラクターゼを使った症状の予防法

以上のように、ラクターゼは乳糖を吸収可能な状態に分解する「ハサミ」の役割を果たしています。

乳糖不耐症の症状はこの「ハサミ」の不足によって引き起こされるため、乳糖不耐症は、消化酵素であるラクターゼを体外から摂取することでほぼ完全に押さえ込むことが可能です

ラクターゼの具体的な入手方法については下記の特集記事をご覧ください。

▶︎ラクターゼの入手方法についてはこちら

注釈

  1. 農畜産業振興機構「医薬品添加物としての砂糖」(2019年12月閲覧)
  2. 実際にはラクターゼを生み出す力が低下していても、その他の腸内細菌の働きによって牛乳を消化できている場合があります。東アジア系の人の9割以上で、ラクターゼを生み出す力は年齢とともに低下していくことが知られていますが、実際の乳糖消化能力に関しては、そうした遺伝的要因だけでなく、食生活や腸内細菌の構成など、様々な要素が関わっていると言われています(参考:M de Vrese (2001) Probiotics – compensation for lactose insufficiency
  • LINEで送る

広告

コメント

コメントを残す